在日クルド難民申請者および「クルドを知る会」の活動の取材を希望されるマスメディア、研究者の方へ

取材申込・誓約書 (PDF)
https://drive.google.com/file/d/1c13Ef_LJdxByN-ww_JRgiOIOxSMgazhM

*プリントアウトしてご使用ください。

 クルドを知る会 在日クルド難民申請者および当団体の活動に関心をもっていただき、ありがとうございます。
 在日クルド難民申請者、また入管による仮放免や収容問題の解決のためには、市民の皆さんの正しい理解が不可欠です。その理解の広がりのためにマスメディアや研究者の果たす役割はきわめて大きく、私たちとしても、正しく優良な報道や研究発表がなされることを期待しています。
 一方、残念ながら、当事者のプライバシーが十分に尊重されなかったり、入管難民問題への理解が足りず、偏見を助長するような報道もまれにあります。「クルドを知る会」としても取材にご協力させていただく以上、取材対象となる当事者や、報道や研究発表の受け手である市民の皆さんに対する責任がありますので、取材に当たってご理解いただきたいことやご留意いただきたいことを、ここに提示させていただきました。ご協力をどうぞお願い申し上げます。




1 「クルドを知る会」の活動理念

 当団体は、2003年7月に設立された日本で初めての在日クルド人組織『クルディスタン&日本友好協会』を支援するために、日本の市民によって同年に結成された会です。結成当初は『クルディスタン&日本友好協会』が掲げていた「クルド人の文化を日本人に伝える」という目的に向かって、さまざまな講座や交流会などのイベントを実現するために、クルド人の皆さんと協力して企画や運営をする、ということがおもな活動内容でした。しかし現実には、在日クルド人たちと活動を共にするにつれて、トルコから出国してきた難民申請者である彼らが抱えるさまざまな問題とぶつかり、向き合っていかなければなりませんでした。現在では2世や3世たちも増え、子どもたちの教育や医療の問題にも活動の幅が広がっています。

「クルドを知る会」は在日クルド人の方々や日本クルド文化協会と協力し、日本のなかで多種多様な文化を背景に持つ人々がともに安心して暮らせるようになることを願って、以下のような活動をしています。

  • 在日クルド人の存在と、クルド人の文化を地域の市民に知っていただく
  • 在日クルド人(特に難民申請者)の生活、医療、教育等の相談を聴き、関係各所、病院や役所、学校などとつないでいく。
  • 在日クルド人を通して見えてくる日本の入管・難民問題について考え、広く伝えていく
  • 日本で暮らしていくための正しい情報や知識、日本語などを、在日クルド人の皆さんに伝えていく

 これらの活動目的や、活動内容に反する報道のための取材にはご協力することが難しいので、ご理解をお願いいたします。なお、一般的な難民問題に関する注意事項については、難民支援協会やアムネスティ日本、国連難民高等弁務官事務所などのホームページ、また一般的な在留ビザや仮放免、収容などについては法務省出入国在留管理庁の情報もご参照ください。

 

 

2 取材に関するお願い事項

1)プライバシーの保護 

報道や研究機関が取材対象のプライバシーを保護するのは当然のことと思いますが、難民申請者の事情を考えると、通常よりも慎重な配慮が必要となります。過去には、日本のNEWROZ*等の画像や映像を証拠に、国家分離主義活動をしていたとしてトルコ国内で逮捕、有罪判決を受けた例もあります。
*NEWROZは毎年3月21日あたりに行われるクルド人による新年祭のこと

「クルドを知る会」としては、原則として、本人の了解の有無にかかわらず、匿名報道および取材対象者を撮影した写真・映像の加工処理を強くお願いいたしております。また、本人がいったん取材を了承したにもかかわらず、後で拒否するようなことがあった場合は、取材を中止し、報道も取りやめていただくようにお願いします。過去には、本人が了承して顔と名前を出して報道されたものの、強制送還を受け入れてトルコへ帰国後に非常に恐怖を感じ、ネット上での削除もできず、今でも隠れるようにして日常を送っている方もおられます。報道等の方法については、最終的には各機関と対象者との個別協議によると思いますが、取材協力者としての「クルドを知る会」からの留意点を考慮していただくようお願いいたします。


2)当事者との信頼関係

私たちにとって、当事者との信頼関係は最も重要な活動基盤です。取材対象となっている当事者はもちろん、取材対象ではない他の当事者との信頼関係も私たちにとっては崩すことのできないものです。取材協力の結果、私たちと当事者との信頼関係が壊れるようなことがあっては本末転倒ですので、以下の点にご留意ください。 

①取材対象者以外の当事者・支援者にも撮影の了解を得ること

 取材対象となる当事者以外の人(家族も含む)が映像・写真に入りこむことはできるだけ避けてください。やむを得ず入りこむ場合は、事前に本人の了解を得てください。なお、これは当事者だけでなく支援者も同様です。時には、後ろ姿や衣服、スカーフ、持ち物等の特徴で本人と認識されることもあり、これを嫌がる人もおります。ご確認の際には、この点も忘れずにお願いいたします。

②撮影場所の管理者への了解を得ること 

相談会場や集会、講座、交流会、NEWROZなどのイベントで取材を行う場合は、各会場の管理者の了解を得た上で、その指示に従ってください。 

③目的外の接触について

取材申し込みの場合、対象者と目的以外の接触は避けていただくようお願いいたします。支援に関わりたいと思われる場合は「クルドを知る会」までご連絡をください。取材後の個人的なお友だちとしての関係にまで言及するものではありませんが、事情を考慮して、ていねいな関係構築をお願いいたします。 

 

3、取材申し込みの手続きについて

 以上のことをご理解いただいた上で、取材を申し込まれる場合は必要事項を記載いただき「クルドを知る会」事務局までメールにてご送付ください。なお取材申込のメールは「クルドを知る会」のメンバーにも回覧させていただきますのでご了承ください。

取材申込後、担当者と取材内容や方法に関する打ち合わせを行ってください(打ち合わせの日程等については担当者から連絡を差し上げます)。


また、取材現場では、担当者ないし現場責任者の指示に必ず従ってください。 


クルドを知る会

事務局メールアドレス

understandingkurdsjp@gmail.com